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2024年05月17日 (Fri)
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2015年08月01日 (Sat)
あっという間に八月ですね。ビールが美味しい季節です。私ビール飲めないけど←

6月のオフのばたばたもとっくに終わったというのにオンに顔出さずにすみません。
とうらぶ沼が思った以上に深くてえげつなかったです。今もまだ抜け出せてないやばい。それもこれも刀剣が揃わないのが悪い。
じじいは…どこだ……!!(安定の三日月難民)
書けば出るジンクスらしいので書いてみようかと思ってるんですが、生憎、ネタがなくて…orz
もう気長にじじいレシピ回すしかないのかな。
ドロップ運は虎徹兄弟で使い果たしたと思ってるので厚樫山周回はしてません。
一軍のメンバーばっかり強くなっちゃうし。
いつまで経っても三条大橋に行けない…。

さにわ5人ぐらい考えてます←
初期刀とおんなじ人数ですね。書きたい。時間ない。

「妖あと」2話目、書き上がりました。
専用ページあるんですが、相方様のスマホで確認されたレイアウトの乱れが私のスマホのドルフィンブラウザでも確認できたので、ただいま全面修正中です。
なのでしばらくここに置いときます。出来るだけ、今月中に修正終わらせるように頑張ります。
宝石擬人化ページも作りたいしな!!







「それでは、漆さん。今日も境内のお掃除、お願いしますね」
「イエッサー、武ちゃん様」
 しまった。なんか色々混ざっちゃったよ。

 こんなことなら「武ちゃんせんせー、いやさ、神主様」なんて、いかにも説明口調っぽくてあれかなー、だめかなー、なんて、つべこべ考えるんじゃなかった。「武ちゃん様……?」としきりに首をひねる神主様を、笑ってごまかして境内に逃げる。あっ、ほうき忘れた……。

「よーおーかーいーのーせいなのね、そうなのねっ」
 忘れものを取って戻って、ようやくお掃除開始。べつに妖怪さんに罪をなすりつけているわけではありません。今日もお空はうっすらと雲のひかれた、柔らかな青天。まさに、春うらら。巷の流行りのソングのひとつやふたつ、自然と口ずさんでしまったって文句は言われないはずだ。
 もちろん、まずいところは伏せるよ! 版権的な意味で!!
「よーでるよーでるよーでるよーでるふんふんふんふんふんふんふん」
「いや、それもうダメだろ」
「ひょうわっ! だだだ大地くんっ、いつの間に!!」
「……今日は朝から寝坊した、からかな」
 くうっ……、大地くんの可哀想なものを見る目がぐさぐさと刺さる……っ。
 一応言っておくけど、お掃除はちゃんとしてました! ようかい体操第一踊ってません!!

「わかってるよ。いつもありがとな」
「えへへー。どういたしましてー」
「でさ。掃除のあとでいいから、ちょっと頼まれて欲しいんだがーー」
 はい、なんでしょう。ぴっと踵を揃えた私に、差し出されたのは紙袋ーー徒野神社の御用聞き、坂ノ下商店のそれだ。
 中を改めると、白い懐紙に包まれたおまんじゅうが、ひい、ふう、みい。
 ということは、すなわち、もしかしてーー

「烏養さんとこからの貰いもん、スガにも分けてやろうと思ってな。漆、よかったら届け」
「ます!!」


【妖怪バトルは日常系のあとでー漆ちゃんと道祖神様ー】


 いざ行かん、神域の外へ。甘い甘いおまんじゅうの入った紙袋と、竹水筒を二本、持って。鳥居の前で、深呼吸ひとつ。いや、べつに大したおつかいじゃないんだけどね。ちょっと山の中歩くだけだし。

「ゲラゲラポー、ゲラゲラポー」
 ゲラゲラポッポ、ゲーラゲラポー。熊避けの鈴で、一人、合いの手を打ちながら、今やすっかり獣道と化した参詣道を登る。
 ここをずぅっと頂上まで行くと、奥宮ーーつまり、大地くんのほんとのお家に辿り着くんだけど、当の大地くんが「毎日行き来するの面倒でなあ」って、山のふもとに居着いて以来、私も神主様も、この道は滅多に使わなくなってしまった。
 いざ、久しぶりに歩いてみれば、積もり積もった腐葉土のせいで、土はげじゃげじゃ、雑草も伸びたい放題で、はっきり言って、たいへん歩きにくい。大切なことなので、もう一回言います。たいへん、歩きにくい。
 たまにはお掃除しようかなあ、なんて。きっと、思っただけで終わるんだろうなあ。だって、めんどくさい。どうせ私しか使わないだろうし、いいよね。うん。と、納得したところでようやく、目的の三叉路が見えた。村の人達がふだん使っている登山道との、合流地点。そこの小さな石碑がひとつあって、そこにおわします神様というのが、
「すーがーくんっ」
 道を守る、神様。
 道祖神の、菅原孝支くんだ。

「おー。漆、おひさー」
 遠路はるばる、と言うほどでもないけど、それなりの距離をえっちらおっちら登ってきた私を、癒しオーラ全開、ほんわかスマイルで出迎えてくれる。
 まるで天日干ししたばかりのお布団みたいな、柔らかな神気が疲れた身体をふんわりと包み込んで、猛烈な眠気を誘う。あー、ねむい。ねちゃいたい。無理だけど。道のど真ん中にねころがって、「おやすみなさーい」するほど、私は人間を捨ててない。捨ててない。けどね。
「……たぬきになりたい」
「……どした、急に」
 べつに、スガくんに抱っこされてすやすや寝息立ててるたぬき羨ましい、とか思ってるよ! たぬき鍋って美味しいのかな!!
 不穏な空気を察したのか、たぬきのくせにうさぎのごとく、逃げていく晩ごはんのおかずは、スガくんの手前、追わないでおいた。やだなー、冗談だったのにー。棒読み。
「……俺の友達、食べるのだけはやめてくれな」
「うーん。畑の状況次第かなあ。次荒らしに来たら、たぬき鍋待ったなしで」
「えっ」
「結構来てるよー。よく足跡見るもん」
 そして神主様が丹精込めて作ったキャベツをムシャムシャしやがるわけですね。絶許。
「なんか……、ごめん。あとで言い聞かせておくわ」
「よろしくでーす。あ、これ、今までの流れと何も関係ないけど、大地くんからのお裾分け。です」
「あ、サンキュ」
 受け取った紙袋の中を、早速覗き込んで、スガくんは、わあっと歓声をあげる。
「坂ノ下のまんじゅう!」
 これ、美味いんだよなあ。ついつられて頬がとろけるような、その微笑み、まさにプライスレス。「あとで大地にお礼言っといてな。烏養さんにも」
「はぁーい」
「漆も一個食ってくべ?」
「喜んでー!」
 差し出されたおまんじゅうをひとつ、ありがたくいただいて、代わりに水筒をひとつ、手渡す。これも烏養さんからのーーと言っても、坂ノ下のお兄さんじゃなくて、村長さんの、おじいさんの方からのーー貰いもの。高級抹茶入り緑茶のお味のほどは、折り紙付きだ。
 二人、並んで目を閉じて。
 両手はふさがっているから合わせられないけど、食べものの恵みへの感謝の気持ちは十二分に込めて、「では」

『いっただっきまーすっ』

 ぱくんっ、とおまんじゅうにかぶりついた。
 ーーつもり、だった。

「……あれ?」
 もぐもぐ、と噛み砕いているのが、無味無臭の空気であることに早々気付いて、私はそっと、目をあけた。ついさっきまで、この手の中に確かにあった私のおまんじゅうは、影も形もなく消え失せていた。一体何が。
 説明を求めてスガくんを見れば、スガくんは自分のおまんじゅうこそしっかりガードしていたものの、もうそんなもの食べてる場合じゃない、と言わんばかりにフリーズしている。

 その視線の先には一羽の雛カラス。小さなくちばしで、おまんじゅうをひとつ、くわえていてーーって、
「私のおまんじゅう!!」
「ーーっ!!」
 びくうっ、と雛がはねた。
 その拍子に、おまんじゅうが地面に落ちた。私のおまんじゅう!! 何故か頭の部分が橙色の、へんなカラスだった。もはや、せっかく奪った獲物をくわえ直すだけの余裕もないのか、泥まみれのおまんじゅうには目もくれず、脇目もふらず、跳んで、逃げてーー
 跳んで?
「え、なんでジャンプ!? カラスでしょ、飛びなよ!!」
「漆、あれ、烏天狗だべ!?」
「烏天狗なの、あれ!」
「村に入れたらどんな悪さするかーー」
 ざあっと、血の気が引いた。
 そうだ。今だって、私のおまんじゅうをだめにする、という狼藉を働いたのだ。きっと、彼は村のありとあらゆる食糧を漁り、馬や牛をつつき、あまつさえ子どもの目をくりぬいちゃったりするかもしれない。
「あ、あれ捕まえる!! スガくん手伝って!!」
「え、いや、むりむり!!」
「なんで! 私のこと嫌いなの!?」
「違うって! あのな、俺、道祖神なんだから!!」
 そうだった。スガくんはこの道を守る神様だから、この道の外には行けないんだった。「大地には連絡しといてやるから、漆、ちょっとの間一人で頑張れ!!」
「そんなあ!!」
「ていうか、漆、なんで旭と西谷連れてきてないんだよ!?」
「旭と夕くんはおまんじゅう奪い合ってケンカして神主様の作った朝ごはんひっくり返したので今日は24時間正座の刑です!!」
「…………そっか」
 村の平和は私が守る!!
 徒野漆、いざ、出動ー!!
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