日々のこととか、小説の進捗状況とか。
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すっっっごく久しぶりに一週間で一作、小説書き上げました。
宝石擬人化です。
専用ページまだ出来てないので、今日もブログに投下していきます。
近いうちに何とかしたい、とは思っています。
けど、宝石擬人化が一番やること多いんだよなあ…。
単純にテキスト量も多いし、イラストと宝石の写真もあるし…。
つーか、私のデジカメはどこで迷子になっているのかな。
まあ、九月はお休み多いので、ぼちぼち頑張ります。
シルバーウィークすごいよね!! 四連休だよ素敵だよね!! 休めるかどうかまだわかんないけど!!!←
そんなわけで、続きは宝石擬人化です。
今回は警備員さんと英語教師のお話!
宝石擬人化です。
専用ページまだ出来てないので、今日もブログに投下していきます。
近いうちに何とかしたい、とは思っています。
けど、宝石擬人化が一番やること多いんだよなあ…。
単純にテキスト量も多いし、イラストと宝石の写真もあるし…。
つーか、私のデジカメはどこで迷子になっているのかな。
まあ、九月はお休み多いので、ぼちぼち頑張ります。
シルバーウィークすごいよね!! 四連休だよ素敵だよね!! 休めるかどうかまだわかんないけど!!!←
そんなわけで、続きは宝石擬人化です。
今回は警備員さんと英語教師のお話!
ヘマタイトは、多趣味だ。
高ずるあまり、職場でも大いに役立っている機械いじりを筆頭に、写経、陶芸、さぼてん集め、など、など、など。常に、熱心に打ち込むに足る趣味を、四つか五つ、並行して抱えている。
それらはどれも、とことん付き合おうと思えば一生ものの道楽のはずだが、ヘマタイトは大抵、それなりに極めたところで次へ行く。飽きっぽい、というのではない。むしろ、ありとあらゆる分野に精通せんとする、果てのない知識欲の表れである。
三千世界にあまねく枝を伸ばす、大きな大きな知恵の木を、彼は、日々育んでいる。
そんなヘマタイトの、校内における根城ーー警備員室の押し入れには、かつて彼の木の養分となったものたちが、種々雑多、押し込まれている。某未来型ロボットの四次元ポケット並の多様さである。どれもみな等しく愛着のある道具たちだが、だからこそ、使いもせずに仕舞っておくのは偲びない。
定期的に一人蚤の市を開催して、もらい手を募集するのだが、お客さんは大概、固定である。好奇心旺盛なブルーレースアゲート、年の割にマニアックなラピスラズリ、時々シトリン。
そして、一番のお得意様が、誰あろう英語教師のセラフィナイトだ。
セラフィナイトは、残念ながら多趣味ではない。まごうことなき飽き性だ。趣味とよべるものは、目下のところ、探し中。ヘマタイトがたしなんできたものを、「ミーも、ミーも!」と真似しては、いつも、一ヶ月保たずにリタイアしてしまう。
今まで、何をやってもそうだったので、今回のそれがいつになく長続きしていることに、ヘマタイトは内心、驚いていた。さて、今日はどうかな。少し、試すような気持ちで、美術室の前に立つ。
果たして、引き戸をあけると、セラフィナイトはそこに居た。
「ワォ、鉄さん!!」
レールの滑る音で気が付いたのだろう。ヘマタイトが声を掛けるよりも、セラフィナイトがこちらを振り返って、絵筆を放り投げる方が早かった。すぽーんと飛んでいった筆が、黒板にべっちょり、紅色をつける。
「セラくん……筆が……」
「ナイスタイミング! グッドタイミング!! 筆? ワッツ!?」
「セラ、絵はもういいのか?」
「イエス! これでフィニッシュ!!」
あいもかわらず服の至るところに絵の具をつけた美術教師・ロードナイトが、やれやれ、と筆を拾いに歩く。
それから目ざとく、ヘマタイトの持ってきたものに気付いた。
「鉄さん、それはなんだ」
「ああ。干し柿です」
美術教師の瞳が、獲物を狙う蛇のように細まった。
「警備員室の窓から吊り下げてたやつか」
「ええ。美味しくできたので、お裾分けに」
「レアリィ!? やったあ!!」
「君は使ったものを片付けてからだ、セラ」
「イエッサー!」
年頃のおしとやかさの欠片もない雑さで、片付けをはじめるセラを、やはりげんなりとした表情で、ロードナイトは見守っている。
図らずも、とんでもない厄介を背負わせてしまった詫びの意を込めて、ヘマタイトは干し柿を勧めた。「いつも、どうもすみません」
ロードナイトは、本心のままに頷きかけて、かろうじて、取り繕った。「ああ、あー。まあ……、鉄さんの頼みだからな」
セラフィナイトが油絵をはじめたのは、今年の五月のはじめのことだ。
もともとは、ヘマタイトがロードナイトに教えを請うて、日曜日の午前中、美術部がない日だけ師事していたところにセラフィナイトが便乗した、と、ここまでは毎度お馴染みのパターン。
いつもと違うところは、ヘマタイトが「水彩画の方が性に合うかな」と早々に見切りをつけたあとも、セラフィナイトは油絵を描き続けた、という点だ。
真白のキャンバスにぺたぺたと筆を置く、その面白さに魅入られること、早五ヶ月。
その日描いた色のことを、画布に写しとった景色のことを、喜々として語るセラフィナイトは、それはそれは楽しそうだった。趣味は人生の糧であり、オアシスである。二十三年もの間、あっちへこっちへ迷走してきたセラフィナイトは、ようやく終の棲家を発見したのだ。とても喜ばしいことだ。
――ただ、ほんの、少し。
同じオアシスに辿り着けなかったことが、寂しい、けれど。
向いてないものは向いてない。ヘマタイトは、細い筆がさっと心に描いていった感傷を、別の太い筆で厚く塗りつぶした。がちゃがちゃと音を立てて片付けをしているセラフィナイトが、太陽のように笑う。
「鉄さん、鉄さん! アタシのピクチャー、遂に完成したよ!!」
「おや。例の風景画ですか?」
「イエス! 力作だから、見てって見てって!!」
あれは、もう少し色を置いた方が、などとロードナイトはぶつくさ言っていたが、ヘマタイトが視線で促すと、大人しくどれか教えてくれた。というか、ついさっきまでセラフィナイトが描いていたのがそれだった。
美術室の窓から見える、中庭を描いた絵だ。描きはじめたころは鮮やかな青葉が、太陽の光を反射してきらきら輝いていたのが、日に日に夏バテしてきて色が褪せてきて、どうしよう紅葉してきた! 絵も赤く塗り直した方がいいかな!? と秋口にさんざん騒いでいたやつだ。
どれどれ、と覗き込むと、結局、中途半端に紅葉を混ぜたらしく、季節感入り乱れの絵になっていた。左側は初夏で、右側は秋だ。これはこれで、いい絵だ。
楽しんで描いたのがわかる、いい絵だ。
「油絵、趣味になりそうですか?」
力いっぱい、是、と返ってくると思っていた。けれど、セラフィナイトは逆に、力いっぱい首を横に振った。
「おや?」
「エヘヘ」
そうして何故か照れくさそうに首のうしろを撫でて、続けて、言った。「だって、これやってると」
「鉄さんと一緒に居れないんだもん」
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